タイムリープと秋の空。

timeleap.netで記事を書いていた沙耶の避難所です。タイムリープの方法や関係する話を書きます。

相対性理論は関係ない

こんにちは、沙耶です。

過去に戻ることはできないと主張している人の中には、「相対性理論と矛盾するから」という理由付けをする人がいます。しかし、そう主張する人のほとんど(全員ではないと思います)は相対性理論についてそれほど理解していないのではないかと思います。今回は相対性理論と時間の関係を紹介したいと思います。

そもそも、『相対性』とはなんのことでしょうか。まずはじめに、電車に乗っているところを想像してください。電車が走っているとき、周りの風景は電車と同じ速さで反対方向に動いて見えますよね。そして他の電車とすれ違うとき、その電車の速さは自分が乗っている電車の速さの分だけ速く見えます。このように、自分が動いているときは動いていないときに比べて自分の速度分だけ速度が変わります。これを相対速度と言います。しかし、光だけは相対速度というものがありません。自分がどんな速度で動いていても、光は一定の速さで動きます。この矛盾を解決しようとしたのが相対性理論です。

これまでの常識では考えられない光速一定という原理が現れたので、相対性理論はそれまでの常識とは異なる現象を示します。例えば動いている物体は縮み、時間の流れが遅くなります。もちろん光の速さに準じるような速さで動かなければわからないような小さな差ですが、これによって光が一定の速さで進むことも説明できるようになりました。

ここで、相対性理論が示す『動いている物体は時間の流れが遅くなる』という性質に着目してみます。時間の流れが遅くなるというのは、自分が1秒経過する間に周りが経過する時間が短くなるということです。限界まで遅くなれば自分の時間の1秒が周りの時間の0秒、つまり時間が止まって自分だけ動けるような状態ですね。もしこの限界を越えて自分の1秒が周りの-1秒になれば、時間を遡ることになるので過去に行くことになります。これで過去へ行くことができるように思えます。しかし、自分の1秒が周りの0秒になるような状態で既に自分が光速で動いている必要があり、相対性理論によれば光速を越えることはできません。また、相対性理論上での座標変換を表すローレンツ変換の式を見ると分かるように、光速を超えたとしても自分の1秒が周りの-1秒になるようなことはありません。つまり、この方法で過去へ行くことはできません。

ここで重要なのは、飽くまでもこの方法で不可能なだけだということです。別の方法を探るのであれば相対性理論と関係ない場合が出てきます。その場合まで否定することはできません。相対性理論を根拠として否定する意見は、この議論を越えたものであるか否か確認する必要があります。