タイムリープと秋の空。

timeleap.netで記事を書いていた沙耶の避難所です。タイムリープの方法や関係する話を書きます。

作者の気持ちを述べられない。

こんにちは、沙耶です。

インサイダーゲームというボードゲームがあります。細かいルールはたくさんありますが、基本的には親が知っているお題を「yes」か「no」で答えられる質問をしながら当てていくというゲームです。もしこのお題が100までの数字だったら、最短で答えを知る方法があります。「50以上か」「75以上か」「88以上か」と少しずつ範囲を狭めていく二分法という方法を使えばいいのです。ではこのインサイダーゲームのようにこの世の全てがお題だとしたら、どうすれば最短で答えを知ることができるでしょうか。今回はそんな言葉による世界の区切り方についての哲学を紹介したいと思います。

まず、言葉にも種類があります。例えば日本語と英語では区切り方が違います。日本語では「マグロ」「カツオ」と分けて呼んでいても、英語では両方とも「tuna」です。逆に英語では「rat」「mouse」と区別しても、日本語では「ネズミ」になります。「かわいい」は「pretty」だけでなく「cute」でもありますし、「pretty」は「かわいい」だけでなく「可憐」でもあるのです。区切り方が違うと、その言語を使っていない人にはわからない概念が生まれます。prettyを完璧に日本語に翻訳することはできず、ニュアンスを伝える他ないのです。では日本語を使っている人同士なら完全に通じ合えるかと考えると、そうでもありません。赤ん坊が言葉を覚えるとき、その意味を完全に理解してから使っているわけではありません。そして完全に理解してから使う言葉などないうちに日本語の文章を話すようになり、大人になります。考えてみれば、私達日本語話者が完全に同じ定義で日本語を使っているか確かめる術はありません。「子供、花柄の洋服、キラキラのネイルに共通する性質」は自分が意図して使っている「かわいい」だけではなく、他の誰かが「かわいい」と呼んでいるまだ自分の知らない概念もあるかもしれません。

共通の認識が得られないのは言葉に限りません。例えば私はこの文章を黒い字で書いていますが、これを読んでいる読者にも(環境が合えば)黒い字に見えると思います。しかし、この黒が同じものであるとは限りません。例えば私が黒と白が逆に見える体質だったとします。しかし、私は生まれた時から白に見えるものを『黒』と、黒に見えるものを『白』と教わってきたはずです。なので私の視覚が特殊であっても、黒いものを黒と、白いものを白と言うはずです。これは色に限らずあらゆる感覚に言えることで、言葉の上で通じあっているように見えても、同じ世界を認識しているとは限らないのです

逆に言えば、この世界を認識しているのは自分自身だけということになります。もし自分自身の認識が変わってしまったら、そのままこの世界が変わったことと区別できません。この辺りの考察から、引き寄せの法則と通じるものが出てくるかもしれません。