タイムリープと秋の空。

timeleap.netで記事を書いていた沙耶の避難所です。タイムリープの方法や関係する話を書きます。

魔術はどこから始まった?

こんにちは、沙耶です。

ファンタジーの世界では、魔法や魔術といった概念が出てきます。三角の帽子に黒いマントを身につけ、藁のほうきで空を飛ぶというイメージはあるかもしれません。また、杖や魔法陣を使った魔術や火・水・土・気という元素について語るところを描いた作品もありますね。しかし、これらの魔法や魔術は一体どこから始まったのでしょうか。

西洋において、科学の始まりは哲学の始まり、つまり古代ギリシャ哲学から始まります。しかし、ローマ帝国がヨーロッパの大部分を支配しキリスト教を国教と定めると、キリスト教の考え方がギリシャ哲学の考え方と結びつき新たな思想が生まれました。キリスト教と結びついたギリシャ哲学の1つが新プラトン主義です。新プラトン主義は「一者」と呼ばれる最初のものから世界のあらゆるものが流出したという考え方であり、一者をキリスト教唯一神と結び付けられて「聖書に書かれていない隠された真実」という神秘主義の考え方として広まっていきます。この考え方を示すのに使われるセフィロトの樹は見たことがあるかもしれません。セフィロトの樹は神から世界の要素が流出する様子を表していて、数字から世界を紐解く数秘術やカードで紐解くタロットなどと関連付けて考えられます。

さて、1つのものから世界のあらゆる要素が生まれるという考え方は東洋には古代からある考え方です。例えば仏教の教祖であるゴーダマ・ブッダは世界を認識するものとしての自分(アートマン)と世界全て(ブラフマン)はもともと一つであると考えました。中国の道教の考え方でも、世界の対立する2つの概念(陰陽)はもともと1つのものであると考えます。これらの東洋哲学はブラヴァツキー夫人により西洋に持ち込まれ神智学となり、セフィロトの樹やタロットなどと共に現代の魔術結社「黄金の夜明け団」の教義になっています。