タイムリープと秋の空。

timeleap.netで記事を書いていた沙耶の避難所です。タイムリープの方法や関係する話を書きます。

時間旅行で起こる矛盾「タイムパラドックス」

こんにちは、沙耶です。時間を移動すると考えるとき、最初に考えるのはタイムパラドックスです。詳細はニコニコ大百科の『タイムパラドックス』の記事を参考にしてください。

例えば失敗した過去を改変して成功させたとします。すると過去を改変する動機がなくなり「過去を改変して成功させる」という事象自体がなくなり失敗することになります。失敗したのに成功したという矛盾が起こるわけです。この矛盾があるから未来から過去へ行くことはできないと論じる人もいますが、そう決めつけるには早いと思います。なぜなら、この矛盾を解決する仮説があるからです。

それがパラレルワールド、並行世界です。失敗した世界Aとその事実を改変した後の世界Bがあると考えれば、世界Bの自分に過去を改変する動機がなくても世界Aから自分が来るので矛盾は生じないことになるのです。2001年にアメリカの掲示板に現れたタイムトラベラーのジョン・タイターも次のように述べています。

The grandfather paradox is impossible.

In fact, all paradox is impossible. The Everett–Wheeler–Graham or multiple world theory is correct.

All possible quantum states, events, possibilities, and outcomes are real, eventual, and occurring.

The chances of everything happening someplace at some time in the superverse are 100%.

(祖父のパラドックスは起こらない。実際、全てのパラドックスは起こらない。エヴェレット、ウィーラー、グラハムの多世界解釈が正しい。

可能な量子状態は全て実際に起こる。多世界の全時空では全てのことが100%起こる。)

簡単に言えば、起こる可能性のある出来事は並行世界のどれかで必ず起こっているということです。この物理学的な並行世界の概念を多世界解釈と言います。

最後に、このジョン・タイターの言う並行世界を描写している物語を紹介したいと思います。それはsteins;gateというゲームです。作中にはジョン・タイターが登場し、概ね実際のタイターと同じ世界観で物語が進行します。そして特筆すべきなのは、並行世界にダイバージェンスという数値が付けられ、ダイバージェンスの変化によって世界が変わったことを描写しているということです。並行世界という概念を掴むにはうってつけの物語なので、オススメします。

次回は多世界解釈量子力学を紹介したいと思います。